歯磨きの後にうがいはしない方がいい?
2025年6月2日
こんにちは、歯科医師の女屋です。
みなさんは歯磨きの後お口をゆすぎますか?
歯磨き粉に含まれているフッ素(フッ化物)はむし歯予防に重要なので歯磨きの後はうがいをしすぎない方がいいと聞いたことがあるかもしれません。
実際、歯磨き後にうがいなしと比べてうがいしたほうが有意にフッ化物の濃度が低くなっていることを示した研究結果が報告されています。
しかし、歯磨き後は少しでもお口をゆすぎたいと思う方が多いのではないでしょうか。
多くの文献では、「10 mL以下の水による1回のうがい」であればむし歯を予防できる最低限のフッ化物の濃度を長時間維持できると結論づけております。
つまり、ティースプーン(小さじ)2杯分くらいの量の水ならばうがいして大丈夫ということですね。
また、歯磨き途中に歯磨き粉を吐き出すのを最小限にすること、歯磨き後2時間は飲食を控えるのもお口の中のフッ化物の濃度を保つのに有効です。
以上のことから年齢に応じた高濃度のフッ化物が配合歯磨き粉(成人であれば1,450ppm)を使用し、うがいしないか少量の水でうがいするのがむし歯予防に良いと言えそうですね。
もちろん歯磨きにはフッ化物以外にもいろいろな大切な要素があります。
当院では一人ひとりに合わせたブラッシング指導を行っており、ご要望に合った歯磨き粉のご提案もできます。
気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。
子供の頃から歯並びを良くしたい!
2025年5月7日
こんにちは、歯科医師の小林です。
突然ですが、質問です。
「子供の頃は歯並びがきれいだったのですが、大人になってガタガタが気になります。」
歯並びが気になる方で、乳歯の時は歯並びが良かったのですが…とおっしゃる方は少なくありません。
みなさんは、どうでしょうか?
実は、「隙間なくきれいに並んでいる子供の歯≠良い歯並び」ではないのです。
■乳歯がすきっ歯!?
乳歯のタイミングで、「すきっ歯を治したい」と来院される方もいらっしゃいます。
よく見ていますね!歯並びを良くしたい、のであれば、隙間があるほうが良いのです。
乳歯と比較し一般的に永久歯のほうがサイズが大きいため、隙間がないと永久歯が生えるスペースがなくなってしまいます。そのため、乳歯の段階で隙間がなくきれいに生えそろっている場合は、永久歯が入りきらず八重歯になったり、ガタガタになる可能性があります。
乳歯の隙間や顎の成長により、永久歯が生えてくるスペースを確保しているのですね。
■顎の成長が重要!
では、どうすれば歯と歯の間に隙間ができるのでしょうか?
これには、土台となる顎の成長も大きくかかわっています。
顎の成長は遺伝などの影響もありますが、しっかりと噛むことで成長を促すことができます。
柔らかいものや小さく切って食べやすくなっているものを食べるよりも、硬いものを奥歯でしっかり噛んだり、大きいものを自分の歯で噛みちぎるほうが顎の成長につながります。
舌の位置やお口の癖、虫歯なども、歯並びに影響する要因です。
子供の頃から歯並びを整えることで、永久歯でのガタガタを最小限にできたり、癖を早くに改善したりできます。
今のタイミングで何ができるのかな?私のお口はどうだろう?など、気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
お口ポカンと歯並び
2025年3月21日
皆さんこんにちは。歯科医師の菅原です。
皆さんお口ポカンて知ってますか?
お口ポカンは現代のお子さんのよくある癖です。
今はマスク生活やアレルギーなどで鼻の通りが悪いお子さんが多いと言われています。
鼻の通りが悪いと、お子さんは口を開けて呼吸をするようになり、様々な成長、歯並びの原因になります。
お口ポカンは以下の事が原因と言われています。
1. 口呼吸の習慣
・鼻が詰まりやすい(アレルギー性鼻炎、花粉症など)
・扁桃腺肥大や鼻中隔湾曲症などの影響で鼻呼吸がしづらい
2. 筋力の低下
・ 口の周りの筋肉(口輪筋)や舌の筋力が弱い
・姿勢が悪く、口を閉じる力が低下している
3. 歯並びや噛み合わせの問題
・出っ歯(上顎前突)や受け口(反対咬合)があると、口を閉じにくくなる
4. 習慣的な癖
・ぼーっとしている時や、スマホやテレビに集中している時に無意識に口が開く
お口ポカンをしていると
①口内が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが上がる
②乾燥で口臭が強くなる
③舌の筋力の低下で正しい発音がしづらくなる
④顔の筋肉が衰えて、たるみやシワができやすい
⑤鼻呼吸より酸素を多く取り込めないので、空気を取り込もうとして姿勢の悪化につながる
⑥唇の筋力低下で出っ歯やすきっ歯になる。
⑦口を開いていることにより鼻から下が長くなる。
様々な事が起きます。
お口ポカンは子供の時から予防しておかないと成長に悪影響を及ぼすことが多いです。
当院はお口ポカンをはじめ、お子さんの口腔機能の発達にも力を入れています。
もしうちの子もしかしてお口ポカンかも、、
と思った方は当院のスタッフや歯科医師に相談してみてくださいね。
歯磨きはどのくらいすればいい?
2025年1月27日
こんにちは、歯科医師の女屋です。
毎食後歯磨きをしっかりされている方もいらっしゃれば、忙しくて夜1回しか磨けてないという方もいらっしゃると思います。
それでは、どのくらい歯を磨くのが望ましいでしょうか。
2016年の歯科疾患実態調査では毎日2回以上歯を磨く方は77%、毎日3回以上歯を磨く方は25%、毎日1回の方は約18%と報告されています。
このように、1日2回以上の歯磨きが一般化していると言えます。
お口の中にはバイオフィルムという細菌の塊が膜をはったものが存在しています。
これは例えば排水溝のぬめりのようなもので、放置すると病原性が強くなってむし歯や歯周病(歯を支える骨が溶ける病気)が進行してしまいます。
歯磨きの回数が増えれば、細菌の量が減りお口の中の環境が改善されます。
研究でも1日2回以上歯磨きを行うことで歯ぐきの状態を健康に保つことができ、それが歯の喪失を防ぐのに関係している可能性が高いことが示されています。
また、毎食後のブラッシングにより糖尿病や脂質異常症などの病気になるリスクが明らかに下がることを示した追跡研究もあります。
以上のことから、毎食後歯磨きを行うことでむし歯や歯ぐきの病気の予防だけでなく、糖尿病予防などの全身的な面でも有利になるといえます。
もちろん歯磨きは回数だけでなくどれだけ適切に行えているかも重要ですので、歯科医師、歯科衛生士の指導を受けることをおすすめします。
当院では予防歯科に力を入れていますので気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
噛ミング30で健康に!
2024年11月25日
こんにちは、歯科医師の青山です。
食欲の秋がやってきました。
たくさん美味しいものであふれる季節ですが皆さんは食べる時、ひと口何回噛んでいるか数えたことがありますか?
よく噛んで食べるこで身体にいいことがたくさんあります。
厚生労働省では「噛ミング30(カミングサンマル)」というキャッチフレーズのもと、ひと口30回以上噛むことを目標としています。
よく噛むことで
①満腹中枢が刺激され食べ過ぎ防止、交換神経が刺激され代謝が活発になり消費カロリーが増加することで肥満予防ができる。
②お口の周りの筋肉が鍛えられられ、小児では顎や発音などの発達を促す、高齢者では誤嚥のリスクを減らすことができる。
③脳の血流が良くなり脳の働きが活性化する。
などの良い効果が得られます。
お子さんからご高齢の方まで噛ミング30で健康をつくっていきましょう!
最近咬みにくいな、うちの子の咬み合わせは大丈夫なのかなど些細な心配ごとでも当院にご相談くださいね。
お口の“細菌”について、知ろう!|スマーク伊勢崎の歯科医院
2024年10月24日
こんにちは、歯科医師の小林です。
「虫歯」や「歯周病」という名前は聞いたことがあると思いますが、原因は何だかご存知ですか?
砂糖、唾液、歯磨き、噛み合わせ、生活習慣等、原因は1つではありませんが、虫歯も歯周病も『細菌』が関係しています。
今回は、お口の中の細菌についてお話をしていきます。
①虫歯菌
代表的な細菌は「ミュータンス菌」です。
食べ物や飲み物に含まれる糖分を分解し、それらを栄養として菌の周りにネバネバした「プラーク」を作ります。さらに、虫歯菌は酸を放出するため、歯の表面が溶けてしまい、虫歯になってしまうのです。
また、乳酸飲料等に多く含まれる「ラクトバチラス菌」も、腸内では良い働きをすると言われていますが、お口の中では虫歯をつくる原因菌となっています。
②歯周病菌
歯周病菌は種類が多く、プロフィロモナス・ジンジバリス、トレポネーマ・デンティコラ、スピロヘータ等、呪文のような名前の細菌がたくさん存在します。
酸素があっても大丈夫な菌もいれば、酸素が大嫌いで、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の境目の深い部分や、蓄積したプラークなど隠れたところで歯周病を進行させる菌もあります。
③カビ菌
体調不良が続き免疫力が低下したり、お口が乾燥しやすい方は「カンジダアルビカンス」とよばれるカビ菌が増殖しやすくなります。
口腔カンジダ症を発症すると、お口の粘膜が赤く腫れたり白くなったり、ピリピリとした痛みを伴うことがあります。
お口の中には何百種類もの細菌が存在し、一人当たり何億もの細菌がいると言われています。目に見えないからこそ、ご自分のお口に合わせた対策をし、身体を整えたいものですね。
当院では、「位相差顕微鏡」という特殊な顕微鏡を用いて、お口の中の細菌の種類を確認しています。気になる方はぜひお気軽にご相談ください!
熱中症と虫歯|スマーク伊勢崎の歯科医院
2024年8月21日
こんにちは、歯科医師の藤巻です。
蒸し暑い日が続いていますが、この季節熱中症対策としてスポーツドリンクや塩のタブレットキャンディなど持ち歩く方も多いのではないでしょうか。
今回は熱中症と虫歯についてお話をしていこうと思います。
この季節は特に熱中症対策のため、こまめな水分摂取を推奨されています。
実は歯科の観点からもお口の中を潤すのはよい口腔内環境を作ることにも大切です。
しかし、水分なら何でもよいというわけではありません。
もちろん部活や仕事、運動時など大量の汗をかいた際、スポーツドリンクや塩タブレットなどは、塩分や糖分を効率よく摂取するのには大変有効です。
ただ、こうしたものの中には歯を溶かす酸や虫歯の原因になる糖がたくさん含まれ、お口の中が酸性の状態になります。
したがってこまめな水分摂取をスポーツドリンクで行うと、お口の中は常に歯を溶かし、虫歯になりやすい環境になってしまうのです。
では虫歯対策をしながら水分補給をするにはどうしたらよいのでしょうか?
まずはお口の中を酸や糖に長時間さらさないことがポイントです!
スポーツドリンクなどを飲んだ後、水やお茶など糖分を含まない飲み物を飲むことでお口の中を酸性度を薄めることができます。
ただお茶は歯の着色につながるタンニン(ポリフェノールの一種)という成分が含まれるので、着色が気になる方はポリフェノールの含有量の少ないお茶を選んでみるのもよいと思います。
また、飲んだ後にうがいするだけでもお口の中の酸性の状態は正常に近いところまで戻すことができるのです。
このようにこまめな水分摂取に少し工夫を加えて、熱中症と虫歯どちらも上手に対策をしていきましょう。
緑茶は歯にいい?|スマーク伊勢崎の歯科医院
2024年7月22日
こんにちは、歯科医師の女屋です。
緑茶は体にいいと聞いたことはあるかもしれませんが、歯にもいいのでしょうか。
緑茶に含まれるカテキンには、むし歯や歯周病に対する予防効果があります。
カテキンはむし歯や歯周病の原因になる菌の増殖を抑え、それらの病気への予防効果があるだけではなく、嫌なにおいを発生させるような菌も抑制して口臭予防にもなります。
また、緑茶に含まれるフッ素の化合物は初期のむし歯を元通りに治す「再石灰化」を促す重要な役割を果たします。
高齢者を対象とした最近の研究において、緑茶を1日に4杯以上飲む人は飲んでいない人に比べて約1.6本歯が多かったとの結果があります。
これは、日常的な緑茶の摂取が歯の健康維持に関係している可能性を示しています。
以上のことから、緑茶の摂取は歯に対して良い影響を与えると考えられます。
しかし、就寝前に飲む場合には注意が必要です。
緑茶にタンニンという成分が含まれこれが歯にくっつくことで歯が着色してしまう原因になり、カフェインは良い睡眠を妨げる可能性があります。
就寝前に飲む場合は軽く水でうがいをする、飲むのは就寝の数時間前までにするなど注意する必要があります。
日頃からご自身での歯磨きや歯科医院での定期受診をしっかり行った上で、積極的な緑茶の摂取をしてみてはいかがでしょうか。
正しい「歯磨き」とは?|スマーク伊勢崎の歯科医院
2024年4月24日
こんにちは、歯科医師の小林です。
「ちゃんと歯磨きしているのに、虫歯になった」
「歯磨き中に出血します。歯周病かもしれない」
そんなお悩みは、ありませんか?
さて、質問です。
使用しているのは、歯ブラシだけ、ですか?
実は、歯ブラシだけでは約60%しか磨けていない、と言われています。
驚きですよね!
しっかり歯を磨いたつもりでも、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間は残念ながら完全に磨くことができません。
そのため、歯間ブラシやフロスを使うことも大切です。歯ブラシと併用することで、100%近くまで磨けるといわれています。
歯間ブラシにはサイズがあり、太さが異なります。
適切な歯間ブラシを使用しないと、歯を磨いているはずが歯茎を傷つけてしまったり、隙間に通しているだけで磨けていないかもしれません。
また、フロスもただ通してればよいわけではありません。歯の形に添わせて動かしながら磨き、隣り合った歯も同様に磨くことで、歯垢を落とすことができます。
はじめのうちはフロスを通すと痛い、難しい、とおっしゃる方もいらっしゃいます。
最初から完璧に使える方は少ないですが、鏡を見ながら続けてくださるうちに、徐々に上手に使えるようになる方もたくさんいらっしゃいます。
まずは、歯ブラシでの磨き方を確認することも大切です。
毛先の当て方によって汚れの除去効率が変わります。
当院では、歯ブラシの使用方法はもちろん、患者さん一人一人のお口の状態に合わせたおすすめの補助器具や歯磨き粉をご紹介しています。
歯ブラシの当て方なんて、聞いたことがない。
歯間ブラシを使っているけれど、私のお口にはこれであっているのかしら?
フロスの正しい通し方を知りたい!
少しでも疑問に思うことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!
歯磨き粉、何で選んでいますか?|スマーク伊勢崎の歯医者さん
2023年12月12日
こんにちは、歯科医師の小林です。
みなさんは、どんな歯磨き粉を使っていますか?
購入する際、何を基準に選んでいますか?
歯磨き粉には様々な成分が入っており、お口に合わせて選ぶことが大切です。
目的に合わせた成分をみてみましょう。
▪️虫歯予防
フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等
▪️歯周病予防
IPMP(イソプロフィルメチルフェノール)、塩化ベンゼトニウム、トラネキサム酸等
▪️知覚過敏
硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等
このほかにも、歯磨き粉には「ペースト」タイプと「ジェル」タイプがあります。
▪️ペーストタイプ
発泡剤が入っており、お口の隅々まで歯磨き粉の成分が行き渡ります。また、研磨剤が入っており、歯の表面の汚れや着色を落とす効果が高いです。泡立ちが良いためすぐにうがいしたくなったり、磨いたつもりになってしまうことがデメリットです。
▪️ジェルタイプ
発泡剤や研磨剤がほとんど入っていないため、薬用成分がお口にとどまりやすく、歯や歯茎を傷つけにくいです。歯の表面の着色が落ちにくく、泡立ちがないため磨いたと実感しにくい方もいます。
現在、歯磨き粉の種類は成分や味等の違いからかなり多くの数があります。
どれを選べば良いか、迷ってしまいますよね。
当院では、「位相差顕微鏡」という特殊な顕微鏡を用いて、お口の中の細菌の種類を確認しています。
細菌の種類や数、活動性によって、おすすめの歯磨き粉の成分が変わってきます。
そのため、この検査をもとに、一人ひとりに合わせた歯磨き粉を提案させていただいております。
歯磨き粉だけでなく、歯磨き指導も行っていますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。