熱中症と虫歯|スマーク伊勢崎の歯科医院
2024年8月21日
こんにちは、歯科医師の藤巻です。
蒸し暑い日が続いていますが、この季節熱中症対策としてスポーツドリンクや塩のタブレットキャンディなど持ち歩く方も多いのではないでしょうか。
今回は熱中症と虫歯についてお話をしていこうと思います。
この季節は特に熱中症対策のため、こまめな水分摂取を推奨されています。
実は歯科の観点からもお口の中を潤すのはよい口腔内環境を作ることにも大切です。
しかし、水分なら何でもよいというわけではありません。
もちろん部活や仕事、運動時など大量の汗をかいた際、スポーツドリンクや塩タブレットなどは、塩分や糖分を効率よく摂取するのには大変有効です。
ただ、こうしたものの中には歯を溶かす酸や虫歯の原因になる糖がたくさん含まれ、お口の中が酸性の状態になります。
したがってこまめな水分摂取をスポーツドリンクで行うと、お口の中は常に歯を溶かし、虫歯になりやすい環境になってしまうのです。
では虫歯対策をしながら水分補給をするにはどうしたらよいのでしょうか?
まずはお口の中を酸や糖に長時間さらさないことがポイントです!
スポーツドリンクなどを飲んだ後、水やお茶など糖分を含まない飲み物を飲むことでお口の中を酸性度を薄めることができます。
ただお茶は歯の着色につながるタンニン(ポリフェノールの一種)という成分が含まれるので、着色が気になる方はポリフェノールの含有量の少ないお茶を選んでみるのもよいと思います。
また、飲んだ後にうがいするだけでもお口の中の酸性の状態は正常に近いところまで戻すことができるのです。
このようにこまめな水分摂取に少し工夫を加えて、熱中症と虫歯どちらも上手に対策をしていきましょう。
緑茶は歯にいい?|スマーク伊勢崎の歯科医院
2024年7月22日
こんにちは、歯科医師の女屋です。
緑茶は体にいいと聞いたことはあるかもしれませんが、歯にもいいのでしょうか。
緑茶に含まれるカテキンには、むし歯や歯周病に対する予防効果があります。
カテキンはむし歯や歯周病の原因になる菌の増殖を抑え、それらの病気への予防効果があるだけではなく、嫌なにおいを発生させるような菌も抑制して口臭予防にもなります。
また、緑茶に含まれるフッ素の化合物は初期のむし歯を元通りに治す「再石灰化」を促す重要な役割を果たします。
高齢者を対象とした最近の研究において、緑茶を1日に4杯以上飲む人は飲んでいない人に比べて約1.6本歯が多かったとの結果があります。
これは、日常的な緑茶の摂取が歯の健康維持に関係している可能性を示しています。
以上のことから、緑茶の摂取は歯に対して良い影響を与えると考えられます。
しかし、就寝前に飲む場合には注意が必要です。
緑茶にタンニンという成分が含まれこれが歯にくっつくことで歯が着色してしまう原因になり、カフェインは良い睡眠を妨げる可能性があります。
就寝前に飲む場合は軽く水でうがいをする、飲むのは就寝の数時間前までにするなど注意する必要があります。
日頃からご自身での歯磨きや歯科医院での定期受診をしっかり行った上で、積極的な緑茶の摂取をしてみてはいかがでしょうか。
正しい「歯磨き」とは?|スマーク伊勢崎の歯科医院
2024年4月24日
こんにちは、歯科医師の小林です。
「ちゃんと歯磨きしているのに、虫歯になった」
「歯磨き中に出血します。歯周病かもしれない」
そんなお悩みは、ありませんか?
さて、質問です。
使用しているのは、歯ブラシだけ、ですか?
実は、歯ブラシだけでは約60%しか磨けていない、と言われています。
驚きですよね!
しっかり歯を磨いたつもりでも、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間は残念ながら完全に磨くことができません。
そのため、歯間ブラシやフロスを使うことも大切です。歯ブラシと併用することで、100%近くまで磨けるといわれています。
歯間ブラシにはサイズがあり、太さが異なります。
適切な歯間ブラシを使用しないと、歯を磨いているはずが歯茎を傷つけてしまったり、隙間に通しているだけで磨けていないかもしれません。
また、フロスもただ通してればよいわけではありません。歯の形に添わせて動かしながら磨き、隣り合った歯も同様に磨くことで、歯垢を落とすことができます。
はじめのうちはフロスを通すと痛い、難しい、とおっしゃる方もいらっしゃいます。
最初から完璧に使える方は少ないですが、鏡を見ながら続けてくださるうちに、徐々に上手に使えるようになる方もたくさんいらっしゃいます。
まずは、歯ブラシでの磨き方を確認することも大切です。
毛先の当て方によって汚れの除去効率が変わります。
当院では、歯ブラシの使用方法はもちろん、患者さん一人一人のお口の状態に合わせたおすすめの補助器具や歯磨き粉をご紹介しています。
歯ブラシの当て方なんて、聞いたことがない。
歯間ブラシを使っているけれど、私のお口にはこれであっているのかしら?
フロスの正しい通し方を知りたい!
少しでも疑問に思うことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!
歯磨き粉、何で選んでいますか?|スマーク伊勢崎の歯医者さん
2023年12月12日
こんにちは、歯科医師の小林です。
みなさんは、どんな歯磨き粉を使っていますか?
購入する際、何を基準に選んでいますか?
歯磨き粉には様々な成分が入っており、お口に合わせて選ぶことが大切です。
目的に合わせた成分をみてみましょう。
▪️虫歯予防
フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等
▪️歯周病予防
IPMP(イソプロフィルメチルフェノール)、塩化ベンゼトニウム、トラネキサム酸等
▪️知覚過敏
硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等
このほかにも、歯磨き粉には「ペースト」タイプと「ジェル」タイプがあります。
▪️ペーストタイプ
発泡剤が入っており、お口の隅々まで歯磨き粉の成分が行き渡ります。また、研磨剤が入っており、歯の表面の汚れや着色を落とす効果が高いです。泡立ちが良いためすぐにうがいしたくなったり、磨いたつもりになってしまうことがデメリットです。
▪️ジェルタイプ
発泡剤や研磨剤がほとんど入っていないため、薬用成分がお口にとどまりやすく、歯や歯茎を傷つけにくいです。歯の表面の着色が落ちにくく、泡立ちがないため磨いたと実感しにくい方もいます。
現在、歯磨き粉の種類は成分や味等の違いからかなり多くの数があります。
どれを選べば良いか、迷ってしまいますよね。
当院では、「位相差顕微鏡」という特殊な顕微鏡を用いて、お口の中の細菌の種類を確認しています。
細菌の種類や数、活動性によって、おすすめの歯磨き粉の成分が変わってきます。
そのため、この検査をもとに、一人ひとりに合わせた歯磨き粉を提案させていただいております。
歯磨き粉だけでなく、歯磨き指導も行っていますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
歯ブラシの適切な交換頻度とは?|伊勢崎市の歯科医院
2023年11月27日
こんにちは、歯科医師の女屋です。
本日は歯ブラシの交換頻度についてお話ししたいと思います。
みなさんは歯ブラシの交換はどれくらいの頻度でされていますか?
定期的にかえたほうがいいと言われますが、どれくらいでかえるのがいいのでしょうか。
定期的な歯ブラシ交換の有効性を調べた研究では、10週間の研究期間中、2週間ごとに歯ブラシ交換をした群に比べて、同一の歯ブラシを使用し続けた群では、歯ブラシの毛先の開き具合が大きく、磨き残しも多かったと報告しています。
また、小学生を対象に生活習慣と、う蝕(むし歯)の関連性を検討した研究では、歯ブラシの交換時期が1〜3ヶ月ごとの児童と比べて、3〜6ヶ月ごとの児童で、う蝕(むし歯)が多く認められたとしています。
一般的に歯ブラシの交換頻度は「1ヶ月」が目安とされています。
しかし、一定期間使用後の劣化の程度など個人差が大きいものでもあります。
普段使用されている歯ブラシを見せていただければ適切な磨き方や交換の頻度について、
患者様一人一人にあったご提案をさせていただきます。
遠慮なくご相談ください。
虫歯って、再発するの?|伊勢崎市の歯科医院
2023年7月20日
こんにちは、歯科医師の小林です。
「虫歯の治療が終わったから、もう安心!」
「また痛くなったら歯医者に行こう」
皆さん、そう思っていませんか?
実は、詰め物や被せ物をしたからといって、安心はできません。
今回は、虫歯の再発についてお話しさせていただきます。
では、なぜ虫歯は再発するのでしょうか?
主な原因をみてみましょう。
①詰め物や被せ物の劣化
詰め物の種類にもよりますが、特に保険適応の素材ですと、年数が経つにつれ劣化しやすいです。金属は熱で膨張・収縮するため隙間ができやすく、錆びたり、金属と歯をくっつけている接着剤が溶け出すこともあります。
徐々に詰め物と歯の間に隙間ができることにより、虫歯菌が入り込み、虫歯が再発してしまいます。
詰め物に隠れた虫歯は確認がしにくく、発見が遅れたり、レントゲンで初めて確認されることもあります。
②歯磨き残しがある
どんなに綺麗に詰め物や被せ物を入れたとしても、残っている歯の部分は虫歯になります。同じ歯でも、異なる場所、特に歯と歯の間から虫歯が再発する方も多くいらっしゃいます。
虫歯を再発させないためには、
・虫歯になりにくい詰め物や被せ物を選択する
・歯科医院での定期的な歯周病治療、ご自宅でのフロスや歯間ブラシの使用
が重要です。
もちろん、一度も削らずに済むことが、再発リスクの低下にもつながります。
“治療したから大丈夫”と思わずに、定期的に歯科医院で確認してもらいましょう。
治療してから10年以上経ったな、心配だな、と思う方は、ぜひ一度ご相談ください。
歯石について|伊勢崎市の歯科医院
2023年5月19日
こんにちは、歯科医師の女屋です。
今回は歯石についてお話しいたします。
歯石はとったほうがいいと聞くことがよくあると思いますが、それはなぜでしょうか?
歯石はプラーク(細菌の塊)がかたまったものです。
実は歯石そのものに害はありませんが、歯石はザラザラしているので表面にプラーク(細菌の塊)がつきやすくなるため、除去する必要があるのです。
歯石ができる速さには個人差があり、唾液などの成分やpHが影響すると考えられています。
2週間ほどでほぼ成熟する人もいれば、数ヶ月から数年かかって形成される場合もあります。
また、面白いことに経管栄養により食物を摂取している人は、そうでない人よりも口の中に食物が入らないにもかかわらず歯石形成が多いことが報告されています。
このことは、食物など口の中に入る物質の成分が歯石形成を促進したり抑制したりする可能性を示しています。
歯石は歯ブラシなどご自身ではとれないため、歯医者で専用の機械でとってもらう必要があります。
歯石をとってほしい方はぜひ一度ご相談ください。
嫌がる赤ちゃんの歯を磨くには?
2023年3月17日
こんにちは、歯科医師の澤野です。
皆さんは赤ちゃんの歯磨き、スムーズにできていますか?
お父さんお母さんの「しっかり虫歯予防をしてあげたい!」という気持ちとは裏腹に、なかなか歯磨きをさせてくれない赤ちゃんが多いと思います。
今回はなぜ歯磨きを赤ちゃんが嫌がるのか、そしてどうしたらスムーズにお口のケアをする事が出来るのかを一緒に考えていきたいと思います。
そもそもなぜ赤ちゃんは歯磨きを嫌がるのでしょうか。
理由は以外と単純で、皆さんの仕上げ磨きが痛いから赤ちゃんが嫌がっているという事が多いです。
皆さんは歯ブラシ、正しく持てていますか?歯ブラシの正しい持ち方はエンピツと同じ持ち方です。
力加減は100~150グラム程度が正しいとされています。
持ち方が正しくないと必要以上に力が入ってしまい、赤ちゃんが痛みを感じる原因となってしまいます。
また、大人の歯磨きと同じように歯周ポケットまで磨けるよう、歯茎に歯ブラシの毛先を入れるように磨いていませんか?
赤ちゃんの歯にはまだ歯周ポケットケアは必用ありません。
歯面に対して直角に毛先を当てれば十分磨けています。また、上唇小帯(上の前歯の歯ぐき上部にあるひだ)に歯ブラシが当たっていませんか?
ここに歯ブラシが当たるととっても痛いので、上の前歯を磨くときはこの部分を指で覆ってあげるようにしましょう。
歯磨きの時の雰囲気もとても大切です。
なかなか磨かせてくれないとイライラしてしまうと思いますが、まずは歯磨きタイムを親子の時間として楽しむところから始めてみましょう。
YouTubeで歯磨きの歌の動画を流してみたり、頬を触るなどのスキンシップから歯磨きを始めるのは非常に効果的です。当院では子供の時からの口腔ケアが非常に大切だと考えております。
磨き方のアドバイスも行っておりますので、気軽にご相談いただければと思います。
歯磨きは何のため?|伊勢崎市で予防歯科
2023年1月6日
こんにちは、歯科医師の女屋です。
本日はブラッシングの目的についてお話ししたいと思います。
ブラッシングでは歯についた細菌の塊であるプラークを除去すること、歯にフッ化物を供給することの2点が重要です。
今では歯磨き粉にフッ化物が入っているのは当たり前になっていますが、昔はそうでなく、ブラッシングといえば
プラークを除去する行為でしかありませんでした。
最近は歯磨き粉にいろいろな成分が入っていますが、確実に有効なのがフッ化物です。
ブラッシングで完璧にプラークを取り除くことは不可能で、普通はブラッシング後でも多少のプラークは残っています。
プラーク中の細菌が歯を溶かすのですがブラッシングと同時にフッ化物が供給されていると溶けた歯の組織を修復してくれます。
このように、フッ素イオンはブラッシングの不十分なところを守ってくれます。
寝る前にフッ化物が口の中に残っていると、寝ている間は唾液が出ないのでフッ化物濃度が相対的に高くなります。
唾液には自浄作用がありお口の中をきれいにしてくれますが、唾液の出ないときはかわりにフッ化物が歯を守ってくれるということです。
フッ素イオンが高濃度に含まれている歯磨き粉を使って歯を守っていきましょう。
妊娠中にお口の中に起こるトラブル
2022年12月24日
こんにちは、歯科医師の澤野です。
体調管理が難しい季節ですね。皆様どうぞご自愛くださいませ。
今回は妊娠中にお口の中に起こるトラブルについて一緒に考えていきましょう!
① 歯ぐきの腫れや出血
妊娠中は女性ホルモンの分泌が増えます。
それにより、お口の中の細菌が増える事があり、歯肉炎になりやすくなります。
その状態を放っておくと悪化してしまい、歯周病になる可能性があります。
歯周病になり歯周病菌が血液に入り込むと早産や低体重児出産のリスクが高まるので、注意が必要です。
② 口臭が強くなる
唾液の量が減少したり、女性ホルモンの分泌が変化したりする事で口臭が強くなる傾向にあります。
また、食生活が乱れたり、つわりによって十分な口腔ケアができない事も口臭の原因となります。
③ 虫歯ができやすくなる
つわりや食習慣の変化、唾液量の減少により、虫歯ができやすくなってしまいます。
妊娠中に気を付けて頂きたい事としては、歯周病や虫歯にならないように、口腔内の環境を整える事です。
つわりで口腔内のケアが辛い時は、小さなヘッドの歯ブラシで磨く、香料や味の強い歯磨き粉を避けるなどの工夫をしてみましょう。
また、どうしても磨くのが辛いときはぶくぶくうがいをしてできるだけお口の中の汚れを落とすようにしてみましょう。
ちなみに安定期(4~7か月)は歯科治療や検診に適している時期です。
後期に入ってお腹が大きくなったり、お子さんが生まれて忙しくなった後だとなかなか治療や検診を受けるのが難しくなると思いますので、何かお口の中に不安がある際は、この時期に相談しに来ていただくのがお勧めです。
妊娠中もお子さんが生まれてからも、お母さんのお口の中の環境はお子さんに大きく影響を及ぼします。
我々も全力でサポートいたしますので、普段よりお口の中の環境を整えていきましょう!