歯がしみる|伊勢崎市で知覚過敏治療
2021年06月5日
こんにちは、歯科医師の今野です。
だんだん暖かくなってきました。
そろそろアイスクリームが恋しくなる季節ですね。
さて、みなさんは、そのアイスクリームを食べて「歯がしみた」経験はありませんか?
毎日たくさんの患者さんと接している中で、患者さんがもっともよく訴える症状のひとつがこの「歯がしみる」という症状です。
「冷たいものでしみるんです」
「歯磨きの時しみるんです」
「何もしないときは痛くないんですが…」
それに対して、歯科医師からこう言われたことはありませんか?
「知覚過敏ですね。むし歯ではないので様子を見ましょう」
「歯がしみる」症状が出た時、多くの歯科医師は簡単に「むし歯じゃないから大丈夫ですよ」と言いますが、患者さんからしたら一大事です。
食事や歯磨きをするとき突然激痛が走るのですから、全然大丈夫でありません。
では、一体どうしてむし歯でないのに痛みが出るのでしょうか。
知覚過敏のベースとなる原因に、「象牙質が露出すること」が挙げられます。
それはどういうことか、というと、わたしたちの歯の構造が関係しています。
歯はざっくり言うと3層構造をしています。
まず、一番外側がエナメル質、といわれる身体の中で最も硬い組織に覆われ、その内側にエナメル質より柔らかい象牙質、と言われる組織があり、その中に歯髄、といわれる神経や血管を含む組織が入っています。
健康的な歯はエナメル質に覆われていますが、何かしらの原因によって象牙質が外側に露出してしまった時に、「象牙質知覚過敏症」といわれる「しみる症状」が現れる場合があります。
象牙質には「象牙細管」と言われる、神経のお部屋(歯髄)につながる非常に細い管が通っています。
その管の入り口(ホースの開口部をイメージしてください)がお口の中に露出してしまった時、歯の神経は困ったことに「風の刺激、温度刺激、歯ブラシの擦過刺激」などあらゆる刺激をすべて「痛み」として感じてしまいます。
このようにして「知覚過敏」の症状が現れるのです。
ただし、象牙質が露出しているからといって必ずしも「しみる」わけではありません。
象牙細管が露出していてもその管が石灰化物質によって生理的に封鎖されている場合は「しみる」症状は出ません。
では、具体的にはどのような原因で象牙質が露出し、知覚過敏が生じるのか、また、その治療法はないのか、そのあたりはまた次回詳しくお話しします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。