むし歯とスポーツドリンク
2021年12月23日
こんにちは、歯科医師の酒井です。
今回は冬でもスポーツ時などに大活躍の経口補水液・スポーツドリンクのお話をしていこうと思います。
夏の群馬のような熱い環境でも、通常であれば水分補給は真水で十分です。
しかし激しい運動中には、汗をかくことで体内の水分と電解質が同時に失われていきます。
アメフトの選手は一回の練習で3L近く汗をかくこともあるそうで、このような場合にはナトリウムなどの電解質、ブドウ糖などの栄養を同時に取る必要があります。
ナトリウムなどの電解質は、細胞のドアを開ける鍵のような役割を果たします。
鍵となるナトリウムの存在無しには細胞はドアを開けてくれず、水分やブドウ糖をはじめとする栄養を取り込むことができないのです。
皆さんは夏場の水分補給と言われた時に何が思いつきますか。
スポーツドリンク、経口補水液などが思い浮かぶ方が多いと思います。
では、スポーツドリンクと経口補水液の違いとは何でしょうか。
ざっくりとしたイメージでいうと、経口補水液はスポーツドリンクと比較して3倍近く電解質が多く、糖分が3分の1ほどで、最もスムーズに水分・電解質・ブドウ糖が吸収されるように調整されています。
スポーツドリンクは糖分が多く、虫歯の原因にもなってしまいます。
それならばスポーツドリンクを薄めて飲めば良いのではないか、とお考えになる方もいらっしゃると思いますが、薄めると肝心の電解質は不足し、本来の役割を果たさなくなってしまいます。
経口補水液は糖分が少なくあまり美味しくないという弱点はありますが、正しい知識を持ち熱中症予防・虫歯予防をしていきましょう。