お口ポカンについて
2023年09月20日
こんにちは、歯科医師の酒井です。
本日は「お口ポカン」についてのお話をしていきます。
近年お口がポカンとあいているお子さんは増えていると言われており、
昨年行われた有病率調査ではお子さんの3割に症状が見られることが明らかになりました。
お口がポカンと空いてしまう原因としては大きく3つ考えられます。
①口を閉じる筋肉が重力に負けてしまう
②口唇など口の周りの筋肉の発達が遅れている
③鼻炎などの理由で鼻呼吸ができない
今回は筋肉の発達が遅れるというところに関して掘り下げていこうと思います。
唇の周囲には口輪筋という筋肉があります。
赤ちゃんは口輪筋の発達が始まっていないので、上唇が山型に盛り上がっています。
離乳が進むなどの理由で段々と口唇に力がついてくると、盛り上がった唇は平坦になり、唇が横長になってきます。
口輪筋の発達が遅いと、唇を閉じる力が弱くなり、赤ちゃんと同様の厚ぼったい山型の唇のままになってしまいます。
こうした筋肉の発達が遅れる原因としては、様々な原因が推測されています。
・昔と比べて、風船ガムや紙風船を膨らませたり、にらめっこをしたり、口笛を吹くなどの機会が減った
・水分が多く、柔らかい食べ物が多い
・柔らかい食物を食べやすいように小さく切って与えている
食生活や遊びの文化の変化などが原因で体にも変化が起きてくるなんて驚きますよね。
口輪筋の発達が遅れ、口を閉じられないようになると、見た目の問題だけではなく、
口の中が乾燥し、虫歯や歯肉炎のリスクが上がったり、口臭が目立つようになったりします。
それ以外にも鼻のフィルターを通っていない空気を吸い込むために風邪を引きやすくなったり、
扁桃腺が腫れることで取り込む空気が少なくなり、体に行き渡る酸素の量が少なくなったりすると
言われています。
当院ではこのような口腔機能の治療にも取り組んでおりますので、
心配なことがあれば気軽にご相談ください。